ワトソン脳の持ち主による、Aブロック(ブログ版)の”読後感”まとめ。
バラバラのエントリだと訳がわからなくなりそうなので、1個所にまとめました。 <!-- 定型句ここから(笑) --> 書き手を推理すると言うのがこの企画の醍醐味ではありますが、何分当方ワトソン脳ゆえ推理は無理。 感想とも言えぬ「読後感」をちらちらと書いてゆくに留めます。 なにとぞご容赦を。 なお、未読の方はネタバレ注意。 また、執筆者の皆様には、見当違いのことばかり申し上げておりますこと、お詫び申し上げます。 <!-- 定型句ここまで(笑) --> A-01星降る夜に html版/ブログ版 現代物。 命を看取った後は、二度と同じ悲しみを味わいたくないと願う。 助けられなかったという念があれば、 ことさら新しい命を抱くことに躊躇する。 涙腺、壊れました。 A-02 星々の中夜 html版/ブログ版 現代(?)社会人もの。 ありそうなんだけど実はあり得ないのが 「運命的に引き寄せられたかのごとき出会い」 と言うものでございまして。 どこに出もありそうな路地裏に ちょっとだけ開いた隙間……。 あり得ないと思いつつも、大きく期待して待ち望む。 胡散臭い誘いに、それでも乗ってみる。 ここから「吉凶が解らない」何かが始まる……。 完結したエピソードでありながら、 長編のプロローグっぽい匂いもする作品。 A-03 ここで私は生きていく html版/ブログ版 近未来もの。 その時代に生きている主人公が振り返る「過去」は 読み手である私にとっての「現在」。 届かないから美しく見えるその世界。 でも実際にその中にいる人々にとっては、抜け出したい現実。 私たちは「その先」に、 今よりも良い何かがあると信じて走っている。 いつか自分が振り返ったとき、 抜け出したいと思ったその場所は、 戻りたい場所に見えてしまうのだろうか。 なんとなく、昨今流行の「昭和ブーム」を連想した年寄りがここに一人おります。 A-04 逆さまの星たちとお母様の夢 html版/ブログ版 異世界ファンタジー。 違う世界から来た女性。 彼女は「この世界」で家族を作って「幸せ」な生涯を閉じた……。 少なくとも、周囲にはそう見えていた。 彼女は、しかし望郷の寂しさを我が子に残して逝った。 いわゆる「異世界トリップもの(召喚もの)」の裏側、という感じかな。 「表側」を描いた作品も読んでみたい気がする。 A-05 SPEED STAR html版/ブログ版 モータースポーツ物。 事故により引退したはずのレーサー。 疾走する二年落ちのマシン。 おお、太田哲也氏だ! チームスーパーアグリだ! (違います。念のため) 乗り越えねばならなかった壁が突然崩れ去ったとき、 若手のパイロットは安堵したのか、落胆したのか。 そしてその壁が再び目の前に現れたとき、彼は焦燥する。 今の地位を脅かされることへの不安と、 再びのチャレンジできる喜びと。 漢って、良いよね。 A-06 涼野伊織那(すずしのいおな)と障子の穴 html版/ブログ版 SF、第一種接近遭遇もの。但し、お茶の間。 登場人物は3名。 天涯孤独の天才。 一介の大学生。 座布団の上で揺らいでいる何か。 舞台はこたつの中。 案外こんな感じで世界は驚異から守られているのやもしれぬ。 時に、実は本当に「人間」なのは一人だけ何じゃないかと。 ……ねぇ。 A-07 『ゆめいろこんぺいとう』 html版/ブログ版 あきらめの悪い人間が、 あきらめきれずに抱え込んでいる夢は、 一体何色なんだろう。 そいつは光を放ってくれるんだろうか? あるいは周りの光まで奪ってしまうんだろうか? それはいつか、砂に変じてくれるのか? それとも……。 A-08 孤島のI and(アイアンド) html版/ブログ版 近未来もの。 エネルギー枯渇により「贅沢」が禁じられた世界。 (「リベリオン」の世界観の五歩手前ぐらいかな。 デストピアな統制世界になっちゃう少し前、という意味で……) 歌うという「贅沢」にアイデンティティを見いだした少女と、 それに引かれてゆく男。 どんなに統制してみても、 言語がある限り人間は「集まる」もんなんですよね。 後々(つまり、この物語の外側で)彼女が粛正されなきゃ良いんですけど……。 A-09 流星と勇者 html版/ブログ版 ScienceFictionじゃない方、SpaceFantasyの方のSF。 望みは叶った。 但し、望まぬ形で。 相手の希望を叶えたつもりが、 逆上されることもまたあり。 世の中、自分の思うようには行かないようにできている。 そういうもんです。 A-10 三つ星 html版/ブログ版 アジアっぽい世界観のファンタジー。 神様の憂鬱、というヤツでしょうか。 その軛は必然と運命。 そして自分で定めたこと。 皆のため、 そして何より自分が自分であるために 彼女はとどまる。 望めば逃げることができる。 でもそれをしない。 それは……彼女だけに許された「自由」。 A-11 エトワール html版/ブログ版 フランスを舞台にしたフィクション。 強いてジャンルに別けるとすると「欧風時代劇」。 それも武家物ではない、任侠系・また旅物の、仇敵討ちもの。 討つべきは母の、自分自身の仇。 突き動かすのは、自分を生み出した存在への憎悪。 正規の「敵討ち」じゃないところがキモですね。 望んでいたのは…… 自分自身の死、だったのかも知れない。 A-12 ミルフィオリの夜に html版/ブログ版 児童文学……中間小説……うーん。 ジュブナイルやラノベじゃなくて、親世代が読んでもいける口。 「自分は【特別】で、他の子供は劣っている」 それはある時期の子供が抱きがちな心理。 【特別】だと思うファクターは子供によって違ってて、 たとえば「勉強ができる」だったり、 「ゲームが上手い」だったり、 「スポーツに秀でている」だったり、 「考え方が大人(『煙草』『お酒』『性体験』とかね)」だったりする。 キーワードに自分の得意を入れられるならまだしも、 自分の「優秀」さを見いだせない普通の子供は、 「実は伝説の勇者の生まれ変わり」「超能力者」 「親は本物じゃなくて、実は大金持ち・外国の王様の隠し子」 なんてワードを入れたりして。 それは兎も角。 【特別】な子供は往々にして孤独で、 同じように孤独な友人を求める。 上手いこと同じ匂いのする友人に出会えて、 自分がそれほど特別でないことを知ることができれば、 (自分も他の子供達も、普通の人間だって事に) 幸福になれるんじゃないかと。 PR
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