資料室(著作権法に抵触しない「お姫様関連文書」)に以下の2編を追加。
ボヘミアンスキャンダル 原題:A Scandal in Bohemia 著者名:サー・アーサー・コナン・ドイル 訳者名:coderati ホームズシリーズ最初の短編。 女嫌いのホームズ氏が、唯一敬意をもって「the woman(あの女)」と呼ぶアイリーン・アドラー女史(Irene Adler)が登場する一編。 民間諮問探偵シャーロック・ホームズの元に、覆面の紳士が依頼を持って訪れる。 依頼の内容は、さる高貴な人物のスキャンダルに関わる写真を「取り戻す」こと。 写真に写っているのは、皇太子時代のボヘミア王ヴィルヘルム・ゴッツライヒ・シギスマンド・フォン・オルムシュタインと、当時の愛人アイリーン・アドラー嬢。 スカンジナヴィア王国第二王女クロチルド・ロスマン姫との婚約発表が近いボヘミア王にとっては、良縁の破談・国際問題となりかねない品だった。 期限は3日。 ホームズは失業中の馬丁に変装してアイリーンの身辺を探り、ゴドフリー・ノートンという弁護士が彼女に付いていることを突き止める。 アイリーンとゴドフリーの後を付けたホームズは、たどり着いた聖モニカ教会で、彼らの結婚式の立会人を務めることとなった。 その晩、浮浪者に変装したホームズは、ケンカ騒ぎに乗じてアイリーンの家への潜入。 ワトソンと示し合わせてニセの火事を起こし、目標物の在処を確認する。 作戦の成功を確信したホームズがベーカー街に戻ってくると、見知らぬ痩躯の青年が彼に挨拶をした……。 ブタ飼い王子 著者名:ハンス・クリスチャン・アンデルセン 訳者名:宮城麻衣 貧しく小さな国に、立派な王子がいた。 彼は皇帝の姫に求婚するため、素晴らしいバラと 造花の薔薇とオルゴールのナイチンゲールしか知らないらしい姫は、それらが「本物」であること知ると気味悪がって、贈り主に合うことを拒んだ。 自分の贈り物を認めて貰えなかった王子は一計を案じ、貧しい身なりに変装して宮殿へ行き、豚飼いとして雇い入れて貰う。 豚小屋で仕事をしながら、王子は不思議なだけれど何の役にも立たない玩具を作り出す。 それがどうしても欲しくなった姫に、豚飼いは姫に「100回のキス」を要求する。 どうしても玩具が欲しい姫は、泥まみれに汚れた豚飼いにキスをすることに。 ようやく86回目が済んだとき、その破廉恥な様子が皇帝に知れ、姫は豚飼い共々宮殿から追い出されてしまう。 国を追われるくらいなら、最初から小国の王子と結婚しておくのだった、と後悔する姫。 すると豚飼いは王子の正体を明かして曰く 「あなたはあのバラやナイチンゲールの価値も分からなかった。それなのにあなたは、あんなくだらないおもちゃのためにはブタ飼いにだってキスしようとする。その報いをいま受けるのです」 王子は自国の宮殿に戻ると姫の眼前で門を閉めきってしまうのだった。 今回のcoderati氏の翻訳のものと読み比べてみて、感じたことなどを。 まず冒頭の一文を比べてみましょう。 シャーロック・ホームズにとって、彼女は常に『あのひと』だった。他の呼称など、つゆほども聞かない。彼女の前ではどんな女性も影を潜める、とでもホームズは考えているのだろう。 シャーロック・ホームズがあの ちなみに、原文は以下の通り。 To Sherlock Holmes she is always THE woman. I have seldom heard him mention her under any other name. In his eyes she eclipses and predominates the whole of her sex. 物は試しと言うことでエキサイト先生に突っ込んでみると、以下のような文章を吐き出してくれました。 シャーロック・ホームズにとって、いつも彼女は女性です。 私は、めったに彼がいかなる他の名前の下でも彼女について言及するのを聞いていません。 彼の目では、彼女は、彼女のセックスの全体からおおい隠して、勝ちます。 (定冠詞の「THE」は普通はあえて訳さないものですから、融通の利かない機械翻訳だと妙ちきりんになっちゃうんですね) この二つ(+α)を見比べて、同じと感じるか別物と思うか……。 言っていることに差違はない。 でも私には何となく目線の置き方に違いがあるように見えるのです。 私の(恐らく酷く人並みからずれている)感覚で見ると、 大久保ゆう氏の文章は「ワトソン博士がホームズを観察してその心情を想像している」感じ coderati氏のそれは「ワトソン博士が我が身をホームズの立場に置き換えて想像している」感じ に思えるんです。 お二人が読んだ元の文章は全く同じ物の筈。 でも微妙な違いが発生するのは何故なのだろうか。 総ての物は「別々の頭脳」というフィルタを通すと、違う何かに変換されるのでは無いでしょうか。 これはアウトプットを伴った翻訳作業のみならず、個人が誰かの文章(或いは他の表現手段の何か)を見たときにも起こりうることでしょう。 同じ文章でも、あなたと私とでは解釈の仕方が違って当たり前。 私が書き飛ばしている 私(書き手)の思惑通りにあなた(読み手)が解釈してくれるとは限らない。 だから、誰かに自分の心づもりと違う感想を持たれたとしても、落ち込まないようにしないといけません……。 頑張ろう、うん。 PR
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