覆面作家企画2 Fブロック(html版/ブログ版)の読後感です。
折り返し地点通過、ラストスパートだぞ、と。 <!-- 定型句ここから --> 書き手を推理すると言うのがこの企画の醍醐味ではありますが、何分当方ワトソン脳ゆえ推理は無理。 感想とも言えぬ「読後感」をちらちらと書いてゆくに留めます。 なにとぞご容赦を。 なお、未読の方はネタバレ注意。 また、執筆者の皆様には、見当違いのことばかり申し上げておりますこと、お詫び申し上げます。 <!-- 定型句ここまで --> F-01 星 html版/ブログ版 SF。 その星は「彼の人」。 かつての自分の右腕が悲しむ様子は見たくない。 その思いが声となって主人公を導いた。 ジョンはいい主を持った。 過去も、現在も。 F-02 星の数ほど html版/ブログ版 現代。現実味のある恋愛。 男の人は「晴」と「 釣った魚に餌をやらないって慣用句があるのも、きっとそのせい。 釣り(デート・お付き合い)は彼らにとって晴れ舞台。 いわばお祭りだから、気張って、気負って、格好を付ける。 手に入った魚はすでに日常。 そこにあってあって当たり前のものになっちゃう。 女にはその落差が理解しがたい。 恋人のウチの優しさが結婚しても続くと思っていて、そうでないことに気付くと悲劇が始まったりする。 まあ、作中の彼女はしっかり彼の性格を掴んでいるようですから、大丈夫。 (彼の方は握られていることに気付いていないみたいだけども) しっかりお尻の下に引いてあげてください。 F-03 モトラタトラット (ハナモゲトラッタッタ語で「目が覚めたなら」という意味) html版/ブログ版 幻想。 思春期に突入した頃、唐突に異世界へトリップする体質となった少年。 いつも妙な世界に飛ばされて、散々な思いをして、元の世界に戻ってくる。 幼なじみの少年は、そんな彼の体験談を嫌々ながらに聞いてくれる唯一の理解者。 思春期に突入した頃、唐突に異世界へトリップさせる体質になった少年。 いつも妙な世界に飛ばして、散々な思いをさせて、元の世界に戻ってくるのを待っている。 幼なじみの少年は、そんな彼の空虚さを嫌々ながらに埋めようとする唯一の理解者。 いつか目が覚める。 彼は事実を知るだろうか。 知ったき、彼はどうするだろうか。 F-04 星に願いをかけてみた html版/ブログ版 現代幻想ショートショート。 今のままの自分で戻りたいって思うときはある。 あの頃の自分が今の「知恵」を持っていたら、きっと巧く立ち回ることができる、なんて想像する。 その想像は、多分、外れ。 今の自分が思うほどあの頃の自分は子供じゃないし、あの頃の自分が思うほど今の自分は大人じゃないんだから。 F-05 夢売りの話 html版/ブログ版 現代幻想。 邯鄲の夢のファンタジックな悪夢バージョン。 どんなに小さな夢でも、それは自分の夢。 人に笑われるような夢でも、人に莫迦にされるような夢でも、人に理解されない夢でも、 なくしたくない大切な夢。 F-06 翡翠 html版/ブログ版 中華風の異世界。 中国語には、対なす二つの「語」がならべられて一つの「言葉」となっているものが、結構ある。 多くの場合、並べられる二つの「語」は、似た意味だったり、互いを強調する意味だったり、互いを補う意味だったりする。 組み合わされてた「語」は、時を経るごとに結びつきを強め、融合し、やがて二つに分かっては成り立たなくなるにいたる。 たとえ無理矢理に切り離したとしても、切り離したそれぞれが、もう一方の存在を思い起こさせる。 F-07 ぷっぺ ~星の妖精~ html版/ブログ版 童話というか児童文学というか。 どんな小さな存在にも大切な役目があるわけでして。 小さな仕事かも知れないけれど、なくてはならない事柄でありまして。 それがあるということを知らないでいても生きてはゆけるけれども、時折は気に掛けてみるのも宜しいかと存じます。 たとえば空に星が瞬いたときに。 たとえば電子機器の小さなLEDが灯ったときに。 F-08 流星の夜、金の風吹く html版/ブログ版 スペースファンタジーの方のSF。 科学と魔法が両立する世界。 小さな世界に落ちてきた男は、その世界を大きく変貌させた。 小さな世界に落ちてきた男は、その世界によって大きく変貌させた。 目に見えた変化はない。 ただ、彼らの世界が一つになって二倍に膨らんだだけのこと。 それが大きな変化。大切な変化。 F-09 カフェ・アルモニカ html版/ブログ版 散文詩といった雰囲気の、ショートショート。 ちょっと退廃的で大人の世界。その一瞬を切り取る。 ストーリーを楽しむよりも、文章のリズムや雰囲気に浸るタイプの作品。 一枚の絵を想像する感じで……。 F-10 星龍井戸譚 html版/ブログ版 中華風ファンタジー。 大人は重要さを理解し、真剣に取り組む。 子供にとってはただの楽しい行事。 普段と違う雰囲気をただ楽しむ。 祀の中に必要なのは、子供の無邪気さ、純粋さ。 それは神を呼び寄せる力であり、道しるべでもある。 だから子供だけがその存在に気付くことができる。 F-11 ぼくと彼女 html版/ブログ版 児童文学 難しい言葉の意味はワカラナイ。 知識としてその言葉を知っているとかそう言う意味じゃなくて。 伝わっているとか、理解できているとか、そう言う意味。 簡単な言葉でも本当の意味がワカラナイことだってある。 何気ない一言が、相手を変えて仕舞うことがあるのだから。 ただ、相手の気持ちがわかれば、それでいいんだよ、多分ね。
覆面作家企画2 Eブロック(html版/ブログ版)の読後感です。
<!-- 定型句ここから(笑) --> 書き手を推理すると言うのがこの企画の醍醐味ではありますが、何分当方ワトソン脳ゆえ推理は無理。 感想とも言えぬ「読後感」をちらちらと書いてゆくに留めます。 なにとぞご容赦を。 なお、未読の方はネタバレ注意。 また、執筆者の皆様には、見当違いのことばかり申し上げておりますこと、お詫び申し上げます。 <!-- 定型句ここまで(笑) --> E-01 星 html版/ブログ版 SF。 三組の親子による何気ない会話が綴られている。 時を変え、所を変え、立場を変えつつ、ありきたりの日常が描かれる。 彼らの回りでは大きな変革が起きている。 しかしそれは語られない。 語られないからこそ、寂しく、悲しく、希望に満ちている。 その果てが、絶望であったとしても。 E-02 遠い星の研究生 html版/ブログ版 SF。 脊椎動物門哺乳綱霊長目真猿亜目狭鼻下目人上科人科人属人種とは別の進化系をたどった宇宙人と、地球生命体の駆け引き。 トワイライトゾーン(ミステリーゾーン)の匂いがする捻りもの。 こういう作品を活字で見るのは大好き。 ただし、映像にされて見せつけられるのは、激しくご免被ります(苦笑) 節足動物門昆虫綱網翅目御器齧亜目の不完全変態昆虫がお嫌いな方はお読みにならないように。 E-03 真夜中の散歩 html版/ブログ版 近未来(だと思われる) アクション系じゃない戦争もの。 レジスタンスの男が二人、破壊された町で工作活動をしている。 その光景は淡々としていて、平穏とも見える。 裏側では、激しい戦闘が行われている。 犠牲の血が流れ続けている。 その血を止めるため、男達は静かに動く。 E-04 こうして、星はおちた html版/ブログ版 異世界戦記物。 そう。 お姫様というのは過酷な「職業」なのです。 自覚のない者が気楽に憧れたり、あまつさえ気軽に名乗ったりしてはならぬのです。 憧れるのなら、手に入れたいと願うのなら、覚悟を決めなさい。 死ぬその瞬間まで、目を閉ざさず、胸を張り続ける覚悟を。 E-05 いとしのメリラ html版/ブログ版 多分一昔前(あるいは1世紀とちょっと前の)の、おそらくイギリス。 妹は兄の宝物。 手の中にしまい込んでおきたい。 美しく飾り立てたい。 幸せにしたい。 でも彼女は いつまでも小さな子供で居るはずもなく、 飾りに頼らず美しくなり、 自身の幸せを選んでゆく。 悲しくもあり、嬉しくもあり、寂しくもあり。 E-06 レディ・ホログラムの歌声は html版/ブログ版 SF。 辺境惑星を入植地とするため、盛んにテラフォーミングが行われている世界。 その星は、大規模開拓が終了して労働者が去ってしまった。 うら寂しい町は、ゴールドラッシュが去っていった西部の片田舎を思わせる。 取り残された老人は、思い出だけを抱いて余生を送る。 巣立っていった若者は、思い出をたどって故郷に帰る。 そこが遠い未来の、遠い惑星であっても、人が人である限り、懐かしいという感情は受け継がれる。 E-07 夜になったら会いに行こう html版/ブログ版 学園・青春もの。 好きな人の前では、空元気。 その人の悲しむ顔が見たくないから、心配されたくないから、彼女は笑う。 その人の重荷になりたくないから、自分の気持ちは抑え込む。 男って、鈍い。 特に、若い男は。 なくしてから思い出しても遅いって言うのに。 それでも彼女なら許してくれるかも知れないけれども。 E-08 小天狗の森 html版/ブログ版 和風ファンタジー。 時代設定は江戸か、あるいはもう少し前ぐらい。 力太郎や、桃太郎のような、 「異界から授けられた一見無能・凡庸な人間が、隠していた力を発揮して人々を助ける物語」 ではある。 その点では、童話・お伽噺に分類できる。 のだけれども。 このハナシを「長編のプロローグ」と位置づけると、天狗の出生にまつわるエピソードが効いてきて、童話・お伽噺ではなくてSFになりそうな。 そう言えばクラーク・ケントも「異界から授けられた一見凡庸な人間」だなぁ。 E-09 星の音見つけて html版/ブログ版 学園ものの、ミステリ(推理ものという意味ではなく) 吹奏楽部は(合唱部もだけど)芸術系でありながら文化系ではなく、純然たる体育会系です。 生まれついてのセンスは確かに必要だけれども、努力と根性も必須スキル。 技量の劣る部員が、何かをきっかけにある日突然開眼するってのも、スポ根の世界そのままでして。 ま、その「きっかけ」がどんな物であるかはその人それぞれですけれども♪ 某鬼の手を持つ先生の漫画・アニメを彷彿とさせます。 E-10 フォーチュン・スター html版/ブログ版 学園もの。ほんのりSF風味。 守りたい。 お互いに相手に対して抱いている感情。 ただ、それを素直に表現するには、二人ともまだ幼い。 相手の行動と自分の理解が一致しないからこそ感じる不安。 言葉や形にしないと、絆を感じられない。 言葉や形がなくても、感情を表すことができる。 気付くには、少し時間がかかるけれども。 E-11 光の手 html版/ブログ版 現代。 一人の少女と一人の少年。 全く違う立場に立ち、全く違う不安を感じて生きている彼ら。 二人とも表面上は「不安」を表さないようにしている。 誰かに悟られないように隠している。 偶然知ったこと。 自分の「不安」とは違う「不安」を抱えている人間がいる。 知らない誰かとの間にも、かすかなつながりがあるかも知れないこと。 これからも彼らは「不安」を押し殺して生きてゆく。 覆面作家企画2 Dブロック(html版/ブログ版)の読後感です。
(Cブロックは当サイト管理人在中につきまた後ほど、ということで) <!-- 定型句ここから(笑) --> 書き手を推理すると言うのがこの企画の醍醐味ではありますが、何分当方ワトソン脳ゆえ推理は無理。 感想とも言えぬ「読後感」をちらちらと書いてゆくに留めます。 なにとぞご容赦を。 なお、未読の方はネタバレ注意。 また、執筆者の皆様には、見当違いのことばかり申し上げておりますこと、お詫び申し上げます。 <!-- 定型句ここまで(笑) --> D-01 足跡 HTML版/ブログ版 現代、バンドもの。 友達って言うのは、相手のことを総て知らなきゃならないってものじゃない。 一緒にいるときには「知らなくても良い」事だってある。 相手が「そこにいる」ということが重要なのだから。 ところが、そこにいるヤツがいなくなると 「知らなかったことがある」 ということに唐突に気付くことがある。 それでも「知らなかったこと」に慚愧の念を感じる必要はない。 彼が「そこにいた」のは事実だから。 D-02 兄嫁 HTML版/ブログ版 現代。恋愛もの(って言ってよいのかな) いや、きっと兄嫁(予定)さんは、君の岡惚れに気付いていたのだよ。 だからその劣情を断ち切るためにあんな台詞を吐いたに違いない。 そう、確かに彼女は賢い人だ。 だって、君の兄貴が選んだ女性だぜ。 君の兄貴を死の誘惑から引き戻した女性なんだから、莫迦なはずがなかろうよ。 そして、君も、当然君の兄貴も、彼女に手玉に取られているのさ。 D-03 オチボシ HTML版/ブログ版 学園もの やられた。一本取られた。 いやあ、あの淡々とした語り口が良い。堪らなく良い。 私はこういう展開の話が大好物なんですよ。 でも、読み手を選ぶ作品です。 奇譚系のお嫌いな方や心臓の弱いお方にはお薦めできません。 作中の「貞子」云々の下りが効いています。 この物語が単なる「青春もの」ではないことの暗喩ですな。 ククククク……。 D-04 星に願いを HTML版ブログ版 ロウファンタジー。 あるいはミュータントもののSF。 またはほのぼの青春恋愛もの。 自分の「得手」を好きになれない女の子が、自分の好きな男の子のためにその「得手」を突き詰めてゆこうとするハナシ。 ……と書くとなんだか凡庸なものに聞こえるのだけれど、さにあらず。 設定の「突拍子のなさ」が上手い具合に効いている。 D-05 キリステ様の掌に杭は刺さらない HTML版/ブログ版 現代。ちょびっと大人向けです。 さばさばした性格の女友達。 多くの男性に愛されている魅力的な女性であるにもかかわらず、彼女は回りから蔑まされている。 彼女を蔑んでいる者達は、そうすることによって優越感に浸っているのだろう。 くだらない、ちっぽけな満足。 そういって彼らを蔑む主人公の女性も、彼女を真に理解しているわけではない。 理解できないから、憧れる。 カリスマとは、そういうものだろう。 D-06 なつやすみ HTML版/ブログ版 現代。 意味のない焦燥感と虚脱感の中にいる思春期の少女と、浮世離れした伯母の奇妙な共同生活のプロローグ。 少々殺伐とした設定が、少女漫画という存在を狂言廻しにすることによって、コメディタッチになっている。 自分にどれほどの影響力があるかなんて、自分自身には解らないもの。 親が「反面教師」になっちゃうのも、親自身が自分の影響力のベクトルを理解できていないからなわけだし。 D-07 砂糖星 HTML版/ブログ版 時代物(と、断言することはできないけれども) 大人が子供に対して吐く「嘘」には二種類ある。 子供を欺すための「嘘」と、子供を喜ばせるための「嘘」。 あるいは、責任から逃げるための「嘘」と、責任を負うための「嘘」。 でも子供にはその違いがわからない。 嘘は嘘。 騙されたと怒り、泣く。 それが子供。 違いがわかるようになって、なおかつ、気持ちよく欺され続けられるようになれば、立派な大人だ。 D-08 掌の中の星 HTML版/ブログ版 現代。 子供から見た「4つ年上」は、大人そのもの。 一人暮らしをしている従姉の大学生なんて、近くにいるのに手の届かない、雲の上の憧れだったりする。 (年を経ると、その程度の年齢差は、単なる誤差になってしまうんだけども) その雲の上と自分を比べたがるのも、そして意味もなく劣等感を感じてしまうのも、思春期の子供の心理。 子供は複雑だ。 特に、大人になりかけの子供は……。 D-09 夜に一月蝿がやってきて HTML版/ブログ版 現代。幻想。 これも一本取られた。 このブロック、中々に強者揃いですわい。 こういうオシャレな展開の小編は、読んでいて楽しい。 (現実に身に降りかかるのはまっぴらご免被りたいですが) やっぱり人間の評価ってのは「あの席」で聞くのが一番ですからねぇ。 D-10 願い星が降る夜に HTML版/ブログ版 現代。 忘れることは怖い。 忘れてしまったことも怖い。 思い出すことも怖い。 思い出すんじゃないかと思うことも怖い。 恐怖は理性を超える。 理性は恐怖が再び自分を超越することにまた、恐怖する。 そして、恐怖は積み重なる。 流れ星は、多分口実。 彼女の望みは、もう適っているんじゃないかな。 D-11 曇りのち雨 ところにより神さま HTML版/ブログ版 ちょっとだけ未来。いや、平行宇宙のどこか。 多分、時そのものが進むことを止めてしまったのだろう。 この世界の「神様」は、残念なことにそれに気付いていない。 この世界の人々も、一部を除いてそれに気付いていない。 気付いてしまったら、この「神様」はどうするだろう。 ちょっとだけ見えた光明が、かき消されなければ良いのだけれど。 覆面作家企画2 Bブロック(html版/ブログ版)読了につき、読後感のエントリをひとまとめに。
<!-- 定型句ここから(笑) --> 書き手を推理すると言うのがこの企画の醍醐味ではありますが、何分当方ワトソン脳ゆえ推理は無理。 感想とも言えぬ「読後感」をちらちらと書いてゆくに留めます。 なにとぞご容赦を。 なお、未読の方はネタバレ注意。 また、執筆者の皆様には、見当違いのことばかり申し上げておりますこと、お詫び申し上げます。 <!-- 定型句ここまで(笑) --> B-01 満月の牙 html版/ブログ版 ヴァンパイア物のファンタジー。 ライカンスロープ同士で狩り合う格好ですね。 惚れた女吸血鬼に人間を襲わせないために「食料」になっている男は、村人から信頼された神父。 信心深く、心優しく、猛々しい獣。 いつか破綻するに違いない見せかけの安息を、それでも彼は幸福に感じている。 B-02 求めるトクベツは html版/ブログ版 芸能人とマネージャーの現代もの。 自分がさほど特別でないことに気付き、幻滅と不安の中にあったアイドルが、ようやく見つけた笑顔。 誰かの特別ではなく、あなたの特別になりたい。 ちいさな B-03 星の河をわたる風 html版/ブログ版 詳細がないので断言はできかねるが、 「風に乗って空を飛ぶエンジン付きの装置が主要な運搬機関である場所」 が舞台であるから、異世界ファンタジーに分類すれば良いのでしょうが……。 内容はトレンディドラマのような感じ。 働く女(有能で男勝り)と、働く男(元同僚の妻子持ち)。 好きあっているけれど、許されない思い。 大地に降りた彼女が懐かしんでいるのは、彼女を空へ運んだ風なのか、あるいは……。 B-04 最後のブルース html版/ブログ版 現代。芸能物。 落ち目の見えてきた、しかし実力派の大物歌手と、実力はあるが、まだ日の目を見ない弟子(付き人)。 落日の大物は自分の衰えを隠したがる。 認めたくないからと言う者もいるが、彼女はおそらく違う。 弟子を世に出す。 衰えきった師匠の最後の夢を、弟子は知らない。 落ちぶれきった師に、弟子は苛立っている。 不器用な子弟の関係は、悲しくて優しい。 B-05 星を握る html版/ブログ版 現代。サラリーマンもの。 でっかいところができあぐねている事を拾いまくってこなし続けないと、中小企業は生きていけない。 喰うためにはどんな細かい仕事も拾いたいのが「代表取締役社長」の本音。 気に入らない仕事はどんなに実入りが良くてもやりたくないのが「職人」の意地。 でっかい傘の下に入りたくないと拒むのは「一国一城の主」のプライド。 一生懸命な若造を助けたくなっちゃうのが「親父」の心意気。 当方、職人の娘なんで、ちょいとうるっと来たりして。 (涙腺がゆるむのは年の所為かいのう、じいさんや……) B-06 生命 撒く者 ~ Panspermia html版/ブログ版 SF。 母星を失った一人(?)の「知的生命体」によるモノローグ。 彼女(あえてこう呼ぼう。理由は後述)は母星から微生物を抱いて脱出した。 意にそぐわぬ旅立ちと孤独が、彼女の心を閉ざす。 この辺の描写を呼んでいる最中、私の脳裏に浮かんだのは、 ジョジョ二部ラストでございます。(書き手の方、ごめんなさい) 彼女が決定的にカーズさまと違うところは、彼女が命を抱いていること。 自分の幸福よりも「我が子」を選ぶ。 彼女は、崇高な農婦であり、生命の母とも呼べる存在。 そう感じた瞬間、先ほどのシーンを荒木絵から手塚絵に再変換した、我が単純な脳みそよ……。 B-07 Xing(シン) html版/ブログ版 現代。アクションもの。 タイトルは「星」の中国語読み(の 中国製トカレフのグリップにある五芒星が物語のキーになっている。 大切なものを失って暴走する若者(かなり無謀)と、かつては同じ境遇に陥り、しかし踏みとどまった女。 読み切りの少年漫画を思わせる少年の成長譚で、読後感はさわやか。 B-08 空を見上げて html版/ブログ版 現代ファンタジー(ローファンタジー)。 疲れ切ったOL。 体調は悪いわ、陰口は敲かれるわのさんざんな一日を送って、漸くの帰宅の途。 出会ったのは、妙に親切な人物。 すり減った神経には普通の親切も余計なお節介に思えるもの。 脳裏に浮かぶのは夢に見た奇妙な姿の「流れ星」。 素直に感情を表現しないということは、実社会で生きるにはある程度重要なスキル。 でもそれが「術」だって事を忘れちゃイケナイ。 たまには豪快に泣き笑おう。 B-09 指先に星 html版/ブログ版 現代。青春恋愛もの。 ちょっと気になる異性に対して、積極的にアプローチできない女生徒。 恋愛成就の「おまじない」をこつこつ積み重ねている。 端から見たらくだらないかもしれない「おまじない」でも、本人は真剣そのもの。 あと少しで満願成就、というときにアクシデント(それも他者から見たら小さなもの)が起きれば、この世の終わりが来たかの如くパニックに陥る。 一個の人間にとっては、でっかい宇宙よりメモ帳の一ページの方が深くて広くて重要なのね。 相手の男の子も最初から彼女のことが気になってたんだよ、きっと。 B-10 歌う星 html版/ブログ版 異世界。 ファンタジーテイストのデストピアもの。 芸術の禁じられた世界に生きる少女セーラ。 彼女の記憶の中にある(血の中に受け継がれた)、他の人々にはない感覚。 それゆえに彼女は魔女裁判に掛けられる。 おそらく、彼女以外にも火あぶりに処せられた「魔女」たちがいたのだろう。 彼女ら(彼ら)は、しかしセーラほど内なる衝動が大きくなかったに違いない。 誰かが始めなければ、世界は変わらない。 それにしても、先王はなぜ芸術を廃したのだろう……。 B-11 ちょっとだけ遠い未来のこと html版/ブログ版 タイトル通りの近未来もの。 おっと、うちの地元が舞台だ(笑) 少年達の日常……。 授業の一環で天文台に向かう彼らは、UNOに興じたり、悪戯書き(よい子はまねしないこと)を計画していたりする。 でも実は着々と世界の崩壊が進んでいる。 温泉が出なくなったり、温度が下がったり……と言った描写を読んで、背筋が凍った。 それは山が相当「壊れている」ということだから。 (当方、角度によっては浅間山の噴煙がぎりぎり見える当たりに居住しておりますので、火山情報にはちょっと敏感でございます) 少年達の言動からはその危機感が感じられない。 「ちょっとだけ遠い未来」のことを知ってしまった彼らは、その不安や恐怖を外に出さないように努めているのだろう。 表面上平静を保ちながら、しかし彼らの内には滾るものがあって、読み手としては救われた感が強い。 Bブロック残り3作を拝見いたしましたので、その読後感を。
B-09 指先に星 html版/ブログ版 現代。青春恋愛もの。 ちょっと気になる異性に対して、積極的にアプローチできない女生徒。 恋愛成就の「おまじない」をこつこつ積み重ねている。 端から見たらくだらないかもしれない「おまじない」でも、本人は真剣そのもの。 あと少しで満願成就、というときにアクシデント(それも他者から見たら小さなもの)が起きれば、この世の終わりが来たかの如くパニックに陥る。 一個の人間にとっては、でっかい宇宙よりメモ帳の一ページの方が深くて広くて重要なのね。 相手の男の子も最初から彼女のことが気になってたんだよ、きっと。 B-10 歌う星 html版/ブログ版 異世界。 ファンタジーテイストのデストピアもの。 芸術の禁じられた世界に生きる少女セーラ。 彼女の記憶の中にある(血の中に受け継がれた)、他の人々にはない感覚。 それゆえに彼女は魔女裁判に掛けられる。 おそらく、彼女以外にも火あぶりに処せられた「魔女」たちがいたのだろう。 彼女ら(彼ら)は、しかしセーラほど内なる衝動が大きくなかったに違いない。 誰かが始めなければ、世界は変わらない。 それにしても、先王はなぜ芸術を廃したのだろう……。 B-11 ちょっとだけ遠い未来のこと html版/ブログ版 タイトル通りの近未来もの。 おっと、うちの地元が舞台だ(笑) 少年達の日常……。 授業の一環で天文台に向かう彼らは、UNOに興じたり、悪戯書き(よい子はまねしないこと)を計画していたりする。 でも実は着々と世界の崩壊が進んでいる。 温泉が出なくなったり、温度が下がったり……と言った描写を読んで、背筋が凍った。 それは山が相当「壊れている」ということだから。 (当方、角度によっては浅間山の噴煙がぎりぎり見える当たりに居住しておりますので、火山情報にはちょっと敏感でございます) 少年達の言動からはその危機感が感じられない。 「ちょっとだけ遠い未来」のことを知ってしまった彼らは、その不安や恐怖を外に出さないように努めているのだろう。 表面上平静を保ちながら、しかし彼らの内には滾るものがあって、読み手としては救われた感が強い。
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